死後の世界(6)イメージ したことが実現する世界

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前回は、死後の世界(幽質界)に行く前に経験する「夢の中の世界」のついて書きました。この世界は誰もが通過する場所でもあり、世間で言われる臨死体験といったものにも関連があるように思えます。
今回からいよいよ幽質界の下の世界について書いていきたいと思います。
なお、 死後の世界 の見解については水波霊魂学に基づいており、水波先生の著書「死後の世界で恋をして–愛って?」で主人公が経験したことを参考にしています。

 

最初の場所

新しい世界は夢のような世界であった。そこには町があった。家もあった。人もいた。なぜか、植物は目に入らなかった。

水波一郎著 「死後の世界で恋をして–愛って?」 P.14

 

私は、「主人公の三郎さんは下の世界に落ちた。」と書きました。

しかし、物語の中の三郎さんは、夢のような世界だと感じています。彼は下の世界をどうして夢の世界だと感じているのでしょうか?

この答えはじつは簡単で、三郎さんは死後の世界(幽質の世界)が食べる必要がない、寝る必要がない、働く必要がない、欲しい物は心で念じるだけで現れる、顔や姿かたちも変えられるといった、この世界の特徴を知りそれらを経験することが楽しくて仕方がなかったということです。

この世にいた頃とはまったく違う環境ですので慣れるのに時間はかかりましたが、三郎さんの心理は安定していました。この場所は天国か地獄は分かりませんが、こんなに楽しい所が地獄のはずがないと思っていたからです。

三郎さんは安心していますが、ここが下の世界なのは間違いないのでした。彼は世話をしてくれた霊魂が別れ際に言ったことをすっかり忘れていました。霊魂はこう言いました。

「私はこれ以上、貴方の元には来られません。私の体では付いていけない世界だからです。

 

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イメージ で現れるものとは何か

死後の世界は、心で念じればそれが実現する世界です。欲しい物があれば心で念じれば現れます。欲しい家のイメージして家が欲しいと念じれば、その通りの家が出現します。食べる必要はありませんが食べたい物があればそれをイメージすれば食べ物が現れます。テレビが観たければテレビを出して観たい番組を念じればいいわけです。

さて、察しのいい方はすでにお気づきかもしれませんが、イメージできれば実現しますがイメージできなければ実現しません。例えば、高級ワインが飲みたいと思って、ロマネ・コンティが欲しいと念じてワインが出現したとしても、ロマネ・コンティの味を知らなければこれまで飲んでいたワインの味しかしません。テレビでスポーツ観戦したいと思っても、自分の記憶に残っているものしか出て来ません。つまり観たことがない試合は記憶にないので観ることができません。

最初のうちは何でも実現する世界だと思っていても、時間が経てば仕組みが分かってしまいます。死後の世界で出現させられるものは自身の記憶にあるものだけなのです。

 

死後の世界でのコミュニケーション

死後の世界には、街があります。街があれば住人がいますが、他の住人(霊魂)とコミュニケーションをとる方法は至って簡単です。

それは、心の中で言葉として思ったことは相手に伝わるということです。

肉体を持っている間は、主たるコミュニケーションの方法は、「言語」です。補助的に身振りや顔の表情といった非言語的なものも用います。ですから表情を読まれなければ腹の中で何を思っていても表面的に当り障りのないことを喋っていれば、相手に本心を悟られることはありません。

しかし、死後の世界は肉体を使用せず、幽体という霊的な身体を使用します。そして、死後の世界は想念の世界です。思ったことが実現します。これは、欲しいものが現れるだけではなく、思ったことが相手に伝わることも実現することなのです。ですから、言語の壁は存在せず、伝わると困ることであっても心の中で言葉を思えば相手にその趣旨がそのまま伝わります。

心の中で思ったことがそのまま相手に伝わるということがどういうことかを、一度想像してみて頂きたいと思います。さぞかし恐ろしいことが起こりそうな場所ですね。

 

死後の世界の恋愛

主人公の三郎さんは若くして他界しました。この世に残した婚約者のことが気にはなっていますが、死後の世界で出会う女性の霊魂と付き合うようになって、結果的に恋愛トラブルに発展します。

霊魂といえども意識がありますし、この世での性別は死後も変わりませんので霊魂同士の恋愛もあります。さらに姿かたちも変えることも可能ですので、老齢で他界した人であってもその気になれば若い頃の姿に変化させられます。顔も変えられますので自分が望む顔になることもできます。

恋愛をしたい霊魂は若い姿と顔を手に入れればいいわけですし、同じことを考えている霊魂がたくさんいれば、その場所は美男美女だらけになります。

人間の霊魂は肉体がないと生殖しません。性欲は肉体の本能ですので死後の世界にいる時間が長くなれば次第に消えていくようです。しかし、恋愛感情は周囲が美男美女だらけであればむしろ高まるのかもしれません。

三郎さんも最初のころはテレビ番組を観て楽しんでいましたが、それが自身の記憶から作られているものに過ぎないことに気づいてからは、他の霊魂、特に女性の霊魂との交流を積極的にはかっていくようになりました。その結果、複数の女性と交際するといういわゆる〇股状態となってしまったのでした。

ある日、三郎さんは4人の女性に囲まれることになりました。当然の帰結として4人の女性は大ゲンカを始めるのですが、死後の世界での本気のケンカを初めて見た三郎さんは恐怖に身が凍ったのでした。

 

 
【死後の世界についての記事一覧】

第1回 水波霊魂学での見解と死後の世界を知ることの意義
第2回 この世との連続性」と「捨て去るもの」
第3回 最初の関門を突破できるか
第4回 上の世界と下の世界とは何か
第5回 誰もが「夢の中の世界」を経験する
第6回 イメージ したことが実現する世界
第7回 ケンカをすると地獄になる場所
第8回 呼び覚ましてはいけない記憶
第9回 「生きがい」 が見い出せないという苦悩
第10回 霊的に成長 するのか、停滞するのか、それとも後退か
第11回 自分勝手な願い を叶えてくれる神などいない
第12回 相手との 不一致 が悲劇を招く
第13回 なぜ 下の世界 に落ちるのか
第14回 「 宗教の教え 」に隠された本質とは
第15回 思い込み がもたらす不幸
第16回 『 囚われ 』-肉体が消えたあとに残るもの
第17回 無信仰 の人達が集まる街