心とは何か ~ 肉体の心 には3つの部分がある

肉体の心

 

人間が持つ3つの心の関係

前回は人間の持つ3つの心についての概要を書きましたが、今回は肉体の心について触れていきたいと思います。

まず、人間の心は肉体と幽体、さらに霊体という3つの霊的身体がそれぞれに心を持っているから3つあるのですが、それについての概念図は以下のようになります。

 

3つの心の概念図

 

これはあくまで概念図ですので、心がこのような形をしているわけではありません。

あくまで分かりやすさを追求した図です。

この図をように、肉体と幽体は重なっていますので、肉体の心の奥に幽体の心がある格好になります。そして、霊体は肉体とくっついていませんので、霊体の心は肉体の心と幽体の心とはかなり性質が異なる心ということになります。

水波霊魂学では、肉体の心を3つの部分に分けて考えています。それは図にあります通り、表面の心と2つの深い心です。これらが複雑に絡み合う上に、そこに幽体の心と霊体の心が加わりますので人間の心はとても複雑なのです。

 

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肉体の心 が持つ3つの部分

ここから肉体の心について詳しく書いていきたいと思います。

 

表面の心

水波霊魂学でいう表面の心というのは、いわゆる表面意識あるいは顕在意識とは少し異なります。顕在意識とは私たちの意識で明瞭に自覚できる部分を指すのですが、「あなたが自覚できる部分とは何ですか?」と問われたとき、それはその時々によって変わります。

仮に過去に恋愛相手に裏切られて破局した人がいるとして、現在は新たなパートナーと結婚して家族もできていたとします。この人は、過去に恋愛相手に裏切られた苦悩は忘れているかもしれませんが、何かの拍子に思い出すことがあるかもしれません。

「今、自覚できていること」というのは、同じ人であってもその時々によって変化するわけです。破局した時に尋ねられればそれに対するさまざまな思いを常に自覚できますし、時間が経過して新たなパートナーと家庭を築いている段階では当時の苦悩の感情は自覚していないかもしれません。なぜなら、過去の記憶を常に表面の心にとどめていることは不可能です。時間が経過したり状況が変化すれば一時的にでも忘れた状態になります。

したがいまして、ここでいう表面の心とは今現在自覚できていることを指します。

 

深い心(記憶がある時期の思い)

さきほどの例で言いますと、過去に恋愛相手に裏切られたときの記憶が該当します(表中の感情B)。ふだんは一時的に忘れていますが何かのきっかけで思い出すことができる感情や思いがこれに該当します。

ここにある感情はふだんは表面に出て来ることがありませんので、本人も全く自覚していないのですが、問題なのは記憶は消えていないという事です。今は状況が変わって普通に生きていたとしても安心してはいけないのです。

先の例で現在は幸せな家庭を築いている人でも、例えばパートナーに対して浮気をしているのでないかといった猜疑心が何かのきっかけで起こってしまった時、過去に恋愛相手に裏切られた時の感情が本人が知らない間に蘇ってくることがあります。そして些細な事で口論になったり、お酒を飲んでいて表面の心が抑制されてしまったりした時に、一気にこの時の感情が噴出することになります。

誰にでも過去に後悔したり、悔しい思いや恨みを抱くような出来事の一つや二つはあります。それはもはや過去のものなのかもしれませんが、心には残っていますので注意が必要なのです。表面の心は変化してもこの部分は何も変わっていません。

 

深い心(記憶から消えた時期の思い)

仮に今年40歳の人がいたとします。表面の心で自覚できること、今は忘れていても思い出すことができるということは、内容に個人差はあっても誰にでも当てはまります。

それでは記憶から消えてしまった時期の思いについてはどうでしょうか?

生まれる前の記憶があるという特殊な人もたまにいるようですが、大抵の人は生まれた直後から幼稚園くらいまでの記憶はよほど強い印象がない限り、その多くは忘れてしまって思い出そうとしても無理だと思います。

私の例で言いますと、私は幼少期の記憶がほとんどなく、幼稚園の頃の記憶は2,3の出来事しか思い出すことができません。ちなみにそのうちの一つは、幼稚園での給食の飲み物を牛乳かコーヒー牛乳か選択するのですが、うちの親が「コーヒー牛乳を飲むとバカになる」といってクラスで私だけ牛乳を飲まされたという本当にくだらない記憶です。

さて、この時期に感じた思いは今現在のわたしに何か影響を及ぼすのでしょうか?

答えは「及ぼします。」

それはなぜかと言いますと、記憶から消えていても心からは消えていないからです。現在40歳の人の心の中には、40年分の感情が残っています。幼稚園の頃であっても悲しみや嬉しさは感じていたはずです。一つ一つの出来事は記憶していなくても、その時に浮かんだ感情が心の奥に残っており、それも何かをきっかけとして騒ぎ出しますと、表面の心に影響を及ぼすようなのです(表中の感情C)。

 

ある人の場合は、小さい時に誰かに苛められて、その時の思いが心の奥に残っていて、何かのきっかけで蘇る事がある、という事でした。
蘇っても、表面の心は忘れているのだそうです。
表面の意識は、、普通に大人の人生を生きていても、幼稚園時代に、先生のえこひいきで悔しい思いをした時の心理が、心の中で騒ぐと、不公平が許せなくなるそうです。
たとえば、上司が同僚をえこひいきするのを見て、心が切れてしまう可能性があるので、事前に注意してほしい、と霊魂から言われたことがありました。
心が切れて暴言を吐いてしまっては、手遅れになるからです。
霊魂は大したものだと感心したものです。

水波一郎著 たましいの救い 第三章 心の種類 P.49

 

ここでいう霊魂とは、その人の守護霊または指導霊です。守護霊や指導霊は担当する人間が生まれる前からその人の課題について把握しています。これは幽体の心が持っている課題(表中の感情D、感情E)もありますが、どんな両親から生まれるのか、そのような感情が表に浮いてくるとマズいのかということを調べて、その対策も考えています。
しかし、それでも本人が守護霊や指導霊を自由意思によって拒否すれば何も手を打てなくなりますので、結局はマズいと思っていたことが現実に起こってしまって、人生を生き辛い方向へ向けてしまう人が多いようです。

人の心は複雑なものであることを知れば、表面の意識を少しばかり変化させたところで、心の全体はほとんど何も変わらないということがご理解いただけると思います。そして、これを理解できれば安易な願望実現のための偽スピリチュアルに騙されることはなくなります。