自分の 心を潰さない ためにできること

心を潰さない

 

 

人は誰でも対人関係で悩んで当たり前

2013年にアドラー研究の第一人者である岸見一郎先生が、「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」をいう本を出版されベストセラーとなりました。そして2016年には続編となる「幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII」も出版されアドラーの心理理論(個人心理学)が脚光をあびているようです。

 

アルフレッド・アドラー(Alfred Adler、1870-1937)を手っ取り早く知りたい方はウィキペディアのページをご参照いただくとして、彼が提唱した個人心理学はトラウマの存在を否定したうえで「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」というのが基底の概念です。私もこの本を読んで気づかされることも多々ありましたが私自身はトラウマの存在は否定しない立場です。
人は誰でも人間関係で悩みますので、アドラーの言う「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」は重要な示唆です。最近は周囲にいる人だけではなく、特に有名人に顕著ですがソーシャルメディアを通じて全く知らない人から誹謗中傷を受けることもあり、ますます人との付き合い方に苦悩する場面が増えています。
現代人は誰であっても人間関係で苦慮していますので、それが当たり前なのだと割り切ってあまり自分を責めすぎないようにすることが大切です。最近は社会が複雑になって、実際にイヤな人も多くなりました。先ほど書きましたソーシャルメディアの一つであるツイッターを例にしますと、匿名という安心感があるのかどうか知りませんが、生まれて今まで教育によって身につけた社会規範やたしなみをわざわざ脱ぎすてて、己の本性をそのままぶつけている感さえあります。
人はどこまでいっても未熟な存在なのに、この世をうまく生きていく術である「社会規範やたしなみ」を脱ぎすててしまえば、文字通り未熟な人間丸出しになってしまいます。

 

 

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心の状態は環境に左右される

私たちは、物事がうまく進んでいる時は心が追い詰められることはありません。
たとえ、どんなに汚い商売をしていても、ツイッターでどんなに誹謗中傷を繰り返していても、その行為がうまくいっている間は心は追い詰められません。ということは、人間の心は綺麗か汚いかというよりも、自分が周りの環境に対してどのようにふるまえているかによって楽になったり辛くなったりしているということです。
物事がうまくいっている間は心は安定していても、なにかに躓けば途端に奈落の底に突き落とされるのです。心の清濁はなんの関係もありません。人は環境が変化することで心も変化するものなのです。
例えば周りが暴力的な人ばかりの職場に就職したとすれば、普通の人は誰ひとり心が楽になることはありません。こんな時に大切なのは、周り(環境)と自分が融和できるか否かです。ときには周囲に合わせ適度に自分を殺し適度に自分を出せる環境なのかどうか?それを観察してみることです。
自分の心を潰さないためには、自分が置かれた環境(特に人間関係)に調和できるかじっくり観察して、どうしてもだめだと感じたのならばさっさと環境から逃れることも大切なのです。
ブラック企業を潰すのは専門家に任せればおけばいいのです。

 

 

『 心を潰さない 』ために

人間は自分の未来など予測できないことが当たり前なのだと知ることです。
「あの時こんな選択をしなければ」と反省することはいいですが、そもそも未来は予測できないのですから過度に自分を責めてはいけません。
ただし、たとえ未来は分からなくても自分のキャリア設計はきちんとしておくことが必要です。自分は何が得意なのか、どんな仕事がしたいのか、そのために必要なスキルは何か。これらを自分なりに持っていれば運悪くブラック企業に入社してしまったとしても早めに進路変更できます。
また、仕事のほかにも趣味でも何でもいいですから別の世界を持つことです。その分野でも達成感を得るようにすればそれが生きがいになることもあります。
現代人にとっていちばん大切なこと、それは自分の心を潰さないということです。