【水波霊魂学】心は『不安定』なのが当たり前と考える
じつは人間の心はとても複雑なのです。なぜ複雑なのかを説明するために今回は水波霊魂学の知見を利用します。
自由な幽体、不自由な肉体
水波霊魂学では、肉体には幽体という霊的な身体が重なっていると主張しています。そして、意識も肉体の意識と幽体の意識が別個に存在しています。
肉体は両親によって作られましたが、もともと幽体は俗にいうあの世(水波霊魂学では幽質界といいます)で生活していました。
幽質界での幽体がどのような生活をしているのかを、この世での生活と比較した時に決定的に違うことがいくつかあります。
それをいくつか挙げてみます。
まず、幽体は眠りません。肉体のように脳や身体を休めたり疲れを癒やす必要がありません。
次に、幽体は食べる必要がありません。肉体のように機能を維持するために食物を必要としません。
次に、食べる必要がないということは、働く必要がありません。幽質界の下の世界は除きますが、基本的には自由気ままで何をしようと自由です。
さて、私たちの生活と比べていかに自由かということがご理解いただけたと思います。
そんな自由気ままに過ごしてきた幽質界から、ある日突然、肉体の受精卵に自分の一部が勝手に引き込まれてしまいます。
そして、この世に生を受けて物質界の法則にしたがって生きています。
肉体の脳はいわば新品ですので、教育を受けるなかで「世の中の仕組みとはこんなものか」と納得している部分もあるかもしれませんが、心の奥にある幽体の心にとっては、自分が幽質界にいた頃の記憶がありますので、この世はとんでもなく不自由な世界としか思えないのです。
不満だらけの幽体、理性で抑える肉体
肉体は食べないと生きていけませんので、働いてお金を稼ぐ必要があります。
そしてお金を稼ぐためには、下げたくない頭も下げないといけませんし、会社に嫌な上司や同僚がいても我慢しなければいけません。また、家を買ってみたら近所に嫌な人がいた場合もある程度は我慢するしかありません。
これは肉体の心にとってストレスには違いないのですが、幽体の心にとってはその何倍も辛いことなのです。
幽質界で生活していたころは、仮に周囲に嫌な人がいたのならば単にその場から去れば良かったのです。
お金を稼ぐために同じ場所で我慢をする必要がなかったのです。
周囲とトラブルが起こりそうならば、自分がその場から去ってしまえばそれで終わりです。
この世では嫌だからといって会社を簡単に辞められませんし、マイホームをお持ちの方なら簡単に引っ越しもできません。
幽体にとって、この世とはとても不自由な世界であり、苦悩ばかりを生む世界なのです。
私たちは、例外なく、肉体と幽体が重なっています。
そして、肉体の意識の奥には幽体の意識があります。
その幽体の意識は常にストレスを溜め込んでいるのですから、人の心の土台は、『安定』ではなく『不安定』なのです。
順風満帆のときは、肉体の意識がある意味、「調子に乗っています」ので、心は安定しているように感じるかもしれませんが、ちょっと躓いたりしますと心の奥にある幽体の意識がここぞとばかりに激しい心情を起こします。
これがあまりに激しいと、肉体の意識にじわじわと影響を及ぼしますし、最悪の場合は肉体の意識が少し弱くなっている時に、一気にその心情が表に噴き出してしまうこともあります。
人の心は『不安定』なのが前提であると考えて、それをどのように対処していくのかを考えることが、この世をうまく生きる上でも、何かの拍子で感情が爆発してしまって人生を台無しにしないためにもとても大切なのです。