マインドフルネス瞑想 ~ 自分自身に関わる覚悟と努力
自分自身に関わる覚悟と努力
ジョン・カバットジンはマインドフルネス瞑想の本質とは、「自分が何かをしている最中に自分がしていることを意識できるようになること」であると述べています(マインドフルネスストレス低減法 P.48)。
今という瞬間に意識を向けて、頭の中で機械的に物事を見たり判断したりする習慣から自分を切り離すことが大切です。
マインドフルネスにおける瞑想の位置づけは、今という瞬間に注意を向けるためのツールなのです。
神秘体験を求めるためでも、何かしらの願望を実現するために行なうものでもありません。
自分自身にかかわる覚悟が必要
最近はネットでマインドフルネス関連の記事がたくさん掲載されていますが、なかには仕事がどんどんはかどるようになるとか彼氏彼女ができるようになるといった現世利益だけに着目してマインドフルネスを実践しましょうといったものも散見されます。
しかし、カバットジンの提唱するマインドフルネス瞑想は、あくまでもストレス低減のためのツールとしての位置づけであり、それらとは根本的な考え方が違います。
さらに、カバットジンはマインドフルネス・ストレス低減法(Mindfulness-Based Stress Reduction:MBSR)としての瞑想トレーニングについて、「努力することが目的であり、それによって自身の体験が生き生きしたものとなる」と述べています。
これは、瞑想したから何かが実現するとか、棚からぼた餅のようにどこかから何かがやって来るといった性格のものではなく、あくまでトレーニングであり努力なしでは何も始まらないということです。
実際、ジョンカバットジンが始めたクリニックは8週間のプログラムで、週1回2時間半のセッションとホームワークとして週6日1時間程度、瞑想などのトレーニングを続ける必要があります。
そして、8週間のプログラムが終了した後も、同じようなスケジュールでトレーニングをし続けることが求められます。
カバットジンはクリニックを訪れた人たちに対してこのように言ったそうです。
「自分自身にかかわる覚悟がありますか?」
「トレーニングを好きになる必要はありません。ただ続けていればいいのです。」
<参考>マサチューセッツ大学マインドフルネスセンターの情報を知りたい方は下記HPをご参照ください(英文)
ttp://www.umassmed.edu/cfm/stress-reduction/
(直接リンクを避けています。アクセスされる際は冒頭の「ttp://」の前に「h」を付加してください)