『 未熟な霊魂 』について ~ 親切な霊魂

親切な霊魂

 

 

世知辛い世の中でも親切心はたいせつ

 

私達は誰でも多少の困りごとに遭遇します。初めての場所で迷ってしまったり、家にスマホを忘れてしまったりすることもありますが、これはたいていの場合は困っても短時間ですし解決手段が明確です。道に迷えば誰かに聞くとか地図アプリで調べればいいですし、家に忘れ物があれば取りに帰れるなり我慢するなりすればいいわけです。

 

こういった類いの困りごとではなく、自分の力では解決が難しい問題ですと、それは苦悩に変化します。最近は人間関係で苦悩する人が増加しているように思えます。誰にも相談できずに自分ひとりで苦悩し続けて、心の調和が崩れたり最悪の場合は自ら命を絶つ人もおられます。

 

困っている人や苦悩している人がいる時に、どのように援助すれば良いのか分からない人も多いです。現代のように時間に支配されている人が多い世の中では、相手の為に割ける時間がありません。他人を助けたことで会社に遅刻して勤務評定に悪い影響を受けると心配する人がわざわざ足を止めるわけがありません。

 

「誰かが助けるだろう」と自分に言い聞かせてその場を立ち去ることになります。

 

また、他人を信用できない世の中では、見ず知らずの人に声をかけるのに大きな勇気が必要です。「知らない人に声を掛けられたら逃げましょう」という世の中では、困っている子供や女性に男性が気安く声など掛けられません。

 

子どもに道を聞いただけで不審者扱いされるのですから。

 

とはいえ、こんな世知辛い世の中にも親切な人はたくさんいますし、困っている人を助けたいと行動している人もいます。時にその行為がありがた迷惑になることもあるかもしれませんが、本当に困っているのであれば親切にしてもらえるのは本当にありがたいことです。

 

ですから、困っている人を助けたいと思う気持ちは尊いものであると思います。

 

 

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『 親切な霊魂 』がありがた迷惑でしかない理由

 

人は肉体の死を迎えて幽体のみの存在になります。それを分かりやすく霊魂と呼んでいますが、彼らがいわゆる死後の世界に留まっているのであれば、地上で暮らす私達は彼らから何の影響も受けることはありません。

 

しかし、現実には死後に下の世界に落ちて地上に逃げて来た霊魂がたくさんいます。彼らは生前の人格をそのまま持っています。この世にいた頃に親切心が厚かった人は霊魂になっても親切ですし、ずる賢かった人は霊魂になってもそのまま変わりません。

 

下の世界で辛い思いをして地上に逃げて来た霊魂は、ひとまず安心できる場所を手に入れることができます。とはいえ、地上にいる霊魂は多数ですので油断はできませんが、霊魂としての生活に慣れてきますと、人間に干渉するしかやることがなくなってしまいます。

 

そこで、親切心の厚い霊魂は、困っている人間を見つけた場合、何とか助けてあげたいと思います。人間の苦悩は念となって身体外部に出ますので、その人の側に居ればだんだんその人がどんなことで苦悩しているか分かるようになっていきます。

 

仮に苦悩している人がいたとして、その人から出る念によって、原因がいじめでありさらには誰にいじめられているのかも分かったとします。親切な霊魂は激怒しました。なぜならこの霊魂も生前にいじめられて苦悩したことがあったからです。彼はいじめている人のところに行って抗議しました。しかし、人間には霊魂が見えませんので、結局徒労に終わりました。それでも親切な霊魂は諦めませんでした。仲間を呼んだのです。その中で霊的なスキルが高い霊魂がいじめている人を懲らしめることになりました。

 

もちろん、霊的なスキルが高くても直接人間を懲らしめることはできません。懲らしめることが出来るとすればそれは肉体に対してではなく幽体に対してです。どんなことをするのかについて具体的に書くのは避けますが、いじめている人の幽体はボロボロになりました。

 

それでも幽体がボロボロになったとしても肉体は何ともありませんので、いじめた人は普通に生活していきます。しかし、幽体がボロボロになった影響は長い時間をかけて肉体に悪影響を及ぼします。肉体の病気や怪我の原因になることもありますし、不道徳な霊魂に目を付けられる危険もあります。

 

いずれにしましても、いじめた人は死後確実に下の世界に落ちることになります。本人は子どもの頃にいじめていたことなど忘れているかもしれませんが、記憶にあろうがなかろうがそんなことは何の関係もありませんし、大人になって慈善事業をして多くの人を助けたとしても何の関係もありません。

 

死後に行く場所を決めるのは、他界した時の幽体の状態のみです。死ぬまでに幽体が修復されていなければボロボロの幽体が暮らしやすい場所に行くことになります。そしてそれが下の世界だっただけのことです。

 

一方、いじめられた人はどうなるのでしょうか?

 

もちろん、死後は下の世界に落ちることになります。いじめられて苦しんだのに不条理だと思われる方もおられるかもしれませんが、何度も書きますが他界後に行く場所を決めるのは幽体の状態のみです。地上に生きている時にあれだけ苦しんだのだからせめて上の世界に行ってほしいと思うのは人情ですが、霊的世界の法則から逃れられる人は誰もいません。

 

それでは、いじめられた人はなぜ下の世界に落ちることになったのでしょうか?

 

それは、いじめた人から念を受けて幽体が傷ついていた上に、件の親切な霊魂に付きまとわれたからです。親切な霊魂であっても下の世界から逃げて来たのであれば未熟な霊魂であり、彼らの幽体の質は高くありません。そんな霊魂と過度に接触しますと、自身の幽体に悪影響が出ます。

 

私達は霊魂が見えないので分からないだけです。親切であろうとなかろうと未熟な霊魂に付きまとわれると自身の幽体は確実に悪影響を受けます。

 

こちらは寄って来てくれと頼んでいないと思っても、相手が勝手に寄ってくるので仕方がありませんし、何よりも自身に霊的な隙があるから寄って来られるのだということを知っておくべきです。

 

人間同士の親切は、ありがた迷惑の時もありますが感謝してもしきれないこともあります。しかし、未熟な霊魂の示す親切は、ありがた迷惑しかありません。

 

 

<参考書籍>