『 未熟な霊魂 』について ~序

未熟な霊魂

 

 

 

今回の記事でいう「 未熟な霊魂 」とは

 
今回の記事をお読みいただくにあたって、まず断っておきたいのですが、水波霊魂学では「未熟な霊魂」という用語をほとんど使用しません。一口に未熟と言っても何が未熟なのかという難しい問題もありますし、死後の世界(幽質の世界)には無数の階層があって結果的にいちばん上といちばん下が出来てしまっていますが、ちょっと上の階層に住んでいる霊魂は上にいるからといって完全ではありませんし、下の階層に住んでいる霊魂であっても信仰心が篤くて愛に溢れている霊魂もいます。

 

したがいまして、未熟な霊魂という言葉はとても誤解を生みやすいといえます。ということで、今回の記事でいう「未熟な霊魂」とはどういった種類の霊魂なのかを最初に定義することにします。

 

今回の記事で述べる「未熟な霊魂」とは、霊的な成長が不完全であって地上の世界に悪い意味で関与している霊魂のことであるとします。

 

 

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地上の世界に逃げて来た霊魂たち

 

この世(物質界)とあの世(幽質界)では、善悪の基準が違います。

 

この世でいくら善行をして周りから人格者とか人徳のある人と評価されている人であっても、その幽体に不調があれば他界後に上の世界には行くことはできません。

 

この世界での「善」は、倫理道徳や社会規範を守ればほぼ達成できます。物質は有限ですので無秩序で奪い合うと殺し合いが始まります。ほとんどの人は、殺し合いが当たり前の世界で生活したくありません。そのためにルールができます。このルールを遵守することが善行の道です。

 

一方、幽質の世界は、幽体で生活する世界です。ここは物質の世界と異なり、欲するものは無限に手に入れることができますので物の奪い合いなどありません。また、幽体は食べる必要がありませんし寝る必要もありません。そして基本的に死にません。

 

つまり、肉体の世界での「善」は、幽体の世界では通用しないかそもそも意味がないことが多いのです。

 

肉体の死を迎えた時の幽体の状態が幽質の世界で住む場所を決めます。上下というのは、その場所が客観的に見たときに、上の世界か下の世界かということであって、別に壁で仕切られているわけではありませんし、ましてや看板が出ているわけでもありません。

 

上の世界に入ることができれば、仮に性格が少々悪くても、霊的に進歩している先輩たちの指導を受けることができます。そういう環境にいれば霊的進歩に目覚めて上を目指すことができる可能性が高まります。

 

ところが、下の世界には霊的に成長している先輩がいません。そこにいるのは生前の価値観に凝り固まっていたり、力で他者を支配しようとするような先輩です。霊的成長を指導してくれる存在がいないということは、自分が気づいて必死に努力しない限りいつまで経ってもそこから抜け出せませんし、邪霊の子分に捕まったら常時監視されてしまいますのでもはや万事休すです。

 

そんな世界で半永久的に過ごすのは想像を絶する苦しみですので、最近は必死に逃げ回っているうちに地上の世界に舞い戻ってくる霊魂が増えているのだそうです。本来は幽質の世界から地上の世界には簡単に戻れないはずなのですが、何故なのか知りませんがその数はどんどん増えているということです。

 

地上に逃げて来た霊魂は基本的に霊魂の世界の法則を知りません。なぜなら生きている間にそんなことを習っているわけでもありませんし、他界後に住んだ場所にはそれを教えてくれる先輩もいなかったからです。

 

彼らは霊的なことを何も知らない未熟な霊魂です。地上に逃げてきても何もすることがありません。地上の世界にも自分より強い霊魂はいますので、彼らに襲われないようにビクビクしながら弱い者同士で徒党を組んで人間に悪戯して時間を潰すしかありません。

 

人間に悪戯したり不幸へ誘導する霊魂は、不道徳な霊魂とか悪い霊魂ということもあります。どの呼称が使われるかはその霊魂が何をしているかによって異なります。いずれにしましても、人間に対して明らかに悪意で寄って来るのであれば不道徳あるいは悪い霊魂ですし、善意で寄って来るのであれば未熟な霊魂なのでしょう。

 

 

他界後に行く場所を決めるのは「行ない」ではなく「幽体の状態」

 

私達は他界して幽体の存在となっても、生前の表面の心はそのまま残っていますので、気の短い性格だった人は気の短い霊魂になりますし、世話焼きだった人は世話焼きの霊魂になります。理論的とか感情的ということもそのまま残っています。ですから、死んですぐの霊魂(幽体)は、生前と同じ性格です。

 

しかし短気な性格ということが他界後に行く場所を決めているわけではありません。例えば生前短気でケンカばかりしていたAさんとBさんがいて、他界した時にAさんは幽体の状態が良かったので上にいきますが、Bさんは幽体の状態が悪かったので下にいきます。あくまで幽体の状態に適した場所に行くだけです。

 

霊魂が未熟であっても、幽質の世界で住むに適した世界でそれなりに生活していくのであれば、地上の人間には何の関係もないことです。

 

しかし、彼らが人間にとって困った存在になることがあります。ふつう、あの世(幽質界)の霊魂は地上の世界に戻ってこれません。上の世界の霊魂は人間の指導のために地上に来ることはありますが、これにはきちんと秩序があって自分勝手な判断で地上に来ることはありません。ところが、下の世界の霊魂は、なぜか地上に戻ってきます。

 

前述のように幽質の世界から逃げて来た者もいますし、残してきた家族のことが気になる者もいるでしょうが、中には人間に危害を加える目的でやってくる者までいます。こういう輩に絡まれると、人生が不幸の方向に誘導されてしまいます。しかし、そういう霊魂に寄られていることに幽体は気づいていますが肉体は気づきません。

 

そもそも、自分の幽体の存在も知らない人が、他の霊魂を知覚できるわけがないと言ってしまうと身も蓋も無いので、これから何回か分けて未熟な霊魂、特に人間に悪い影響を与える霊魂の例を書いていこうと思います。現代人は未熟な霊魂に寄られるスキがたくさんあります。そのスキとは何かを知っていただく意味でも記事が参考になればと考えています。

 

(続く)

 

 

<参考書籍>
この世に逃げて来た霊魂達が何を考えどういった行動で人間を苦しめているのかを物語風に書かれています。