守護霊(15)~この世での成功者

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幽体の意識を知るということ

 

我が国は表現の自由が保障されていますので、自分の意見や主張、感情などを自由に表現できます。それでも、他人の気持ちを害するような言動や行動は慎みべきなのは言うまでもありません。

 

自分の感情を表現するとき、常日頃はいったん頭の中で整理したうえで言動や行動を心がけていても、とっさの時に「なんであんなことを言ってしまったのか」とか「なぜあのような行動をしてしまったのか」と後悔した経験を持つ方もおられるかもしれません。

 

感情は肉体の意識でのみ起こっているのではありません。同じ経験をしている幽体の意識にも感情がありますし、もしかしたら肉体の意識がまったく思っても見ないような感情を抱いていることもあります。

 

なぜなら、幽体は過去の人生を経験しているからです。

 

幽体の意識は肉体の意識のように、親から躾けられているわけでもなく、理性というものを教育されているわけでもありませんので、幽体の心情は肉体に比べて、ストレートな表現になることが多いのです。

 

誰かに対して怒っている時、肉体の意識は理性がありますので感情を押し殺すこともできますが、同じように怒っている幽体の意識は「この野郎、今度会ったらぶん殴ってやる!」くらいに激怒していることもあります。

 

そんな幽体の意識の中にある過去世の心情には激しいものが多く、それが肉体の意識に影響を与えるくらい大きくなりますと、肉体の意識ははっきり分かりませんが何となくむしゃくしゃした感覚になってきます。

 

そのような時に、ちょっと感情が動くような些細なことが起こりますと、ふだんなら笑って済ませられるのに、周囲も驚くような言動や行動をしてしまい、気が付いたら取り返しのつかない事態になります。

 

本来ならば、幽体の意識がそのまま外部に表現されてしまう事態が起こらないように、幽体の存在を知ったうえで未熟な部分を教育していく必要があります。

 

 

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思わぬ原因で幽体が不調になるということ

 

仮に悩んでいる人(Bさん)がいたとします。その悩みとは仕事を取るか家庭をとるかの選択でした。Bさんの妻は病弱で臥せっていることもありました。Bさんは妻のことを心配していましたが、経営する会社も順風満帆とはいかず従業員にご飯を食べさせるためにたくさん稼がないといけない状態でした。

 

Bさんは信仰心も厚くなく、ましてや幽体のケアなど考えたこともなかったので、守護霊と繋がっていませんし、補助の霊魂の視界にも入っていませんでした。Bさんの守護霊は彼のことを調査して、いずれ人生の岐路に立つような決断をする時が来ることを知っていました。しかし、それについて何もすることができませんでした。

 

Bさんは家族も大切でしたがそれ以上に会社経営が大切でした。悩みの日々を過ごしていましたが結局、会社経営に軸足を置くことにしました。そして会社経営も次第に安定し、従業員からとても感謝されました。

 

一方、家族はBさんに見捨てられたような形になりました。多忙なのか知りませんが自宅に帰ってこない日も増えました。Bさんの妻はその後寝たきりになって夫が家にいないときにこの世を去ってしまいました。

Bさん夫婦には子供がいました。この子は父親に対して良い記憶はまったくありませんでした。むしろ、病気の母をほったらかしにした酷い人という気持ちしかありませんでした。
子供は思いました。
「こいつのせいでおかあさんは不幸だった。」
思うだけならまだしも、この子は憎悪の念を父親であるBさんに浴びせ続けていたのです。

 

Bさんの人生は、周囲から見れば成功者なのかもしれません。一代で会社を大きく成長させて従業員を幸せにしました。大きな家に住んで運転手付きのクルマに乗れるくらいのお金持ちになりました。

 

しかし、Bさんが他界後も幸せかどうかはまったく別の問題なのでした。特に子供から受けた憎悪の念でこの世を去る頃には幽体がボロボロになっていたBさんは、他界後は下の世界で苦しむことになってしまいました。

 

この世にいる人たちは、まさかBさんが今頃、地獄のような世界でもがき苦しんでいることを知りません。Bさんの子どもも自分の浴びせた念が原因だと知る術もありません。もしも今のBさんの状況を知ればみんな仰天するに違いありません。

 

しかし、Bさんの守護霊は違いました。こうなることは半ば分かっていたのです。ですから、Bさんに何とか近づいて対策を施したいと思っていましたが、Bさんがそれを望まなかったために何もすることができませんでした。

 

Bさんは死後の世界があるとは思っていませんでしたので、この世での成功だけを追い求めました。しかし、死後の世界があることに他界して初めて気づいたのでした。Bさんは下の世界に落ちて初めて、地上の世界の価値観と死後の世界(幽質界)の価値観がまったく違うということを思い知ることになりました。

 

この世での人生は長くても百年そこそこですが、死後の世界で使用する幽体には死がありません。いったん下の世界に落ちてしまえば、そこから這い上がることは非常に困難です。

やはり、この世にいるうちに気づくことができるかどうかが勝負だということです。

 

(続く)

 

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