自意識過剰な人が気を付けなければならないこと

自意識過剰

 

 

自意識とは

 

じいしき【自意識】

自分自身についての意識。外界や他人と区別された、自我としての意識。自我意識。自己意識。自覚。

 

精選版 日本国語大辞典より

 

辞書にありますように、自意識とは自分以外の外的存在と区別された意識のことです。これは幼児期には存在しないそうで、成長とともにさまざまなことを経験したり、思考を巡らせたり、行動したりすることによって、自己とそうでないものに対して明確な区別が出来てくるようになるそうです。

 

つまり、自分と他者の区別するとともに、自己というものを認識できるようになるわけです。

 

私たちはたいていの場合、自意識が生まれたとか変化しているとか、そんなことをいちいち意識ながら生活しているわけではありませんので、肉体の脳が作り出す自意識というものはこの世に生まれてから今までに経験したり感じたりしたことが大きな影響を与えているようです。

 

幼児期のことはほとんど忘れてしまっていたとしても、それはただ単に『今は忘れています』ということにすぎず、その当時は辛いことや悲しいことに対して感じたことがあるはずです。たとえ思い出すことがなくても脳はその出来事をどこかに記憶していて、それが自意識の一部となり、現在や将来の思考や行動に影響を与えるとすれば、『忘れた』では済まされないかもしれません。

 

いずれにしましても、『意識』とは脳の活動領域であり、脳の働きについては未だ分からないことが多いですので、今のところは諸説ありといった状況です。

 

 

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自意識過剰 の危険な側面

 

科学では解明されていない自意識ですが、私たちは自意識という言葉をわりと多用しています。もっとも自意識単体で使用することは稀で、これに過剰という言葉をくっつけて、『自意識過剰』という言葉にして使用しています。

 

自意識過剰といいますと、他人の目を気にしすぎるあまり恐怖を感じたり、あるいは自己愛(ナルシシズム:Narcissism)から転じてうぬぼれや自己陶酔の意味で使用されることが多いと思います。

 

「ちょっと自意識過剰じゃない?」と言う時は、たいていは上記の意味です。これはこれで生活に支障が出るくらい悩んでいる方もおられますので、そういう場合は医学の力を頼りにされればいいのですが、ここで問題にしたいのは別の側面です。

 

自意識過剰とは、『いつも自分を中心に据えて考えないわけにはいかないような性向の強いこと』がその根本にあります。この意識が高じると自分が常に正しいという価値観が生じて他人の話に耳を傾けなくなるとか、自分の殻に閉じこもって独自のルールを作りそれに異を唱える人に激しく反発したりする可能性があります。

 

物事に対するこだわりは大なり小なり誰にでもあるのですが、ここに正しいとか間違いとか、善悪が絡んでくることによって、周囲と折り合いがつけることができずに孤立したり、自身が自覚できなくても心理的に孤独感を抱いたりしますと、物事の変化に対する柔軟性が失われてしまいかねません。

 

 

危険な自意識過剰状態にならないために普段から気を付けたい2つのこと

 

  • 人はそれだけ物事を学んでも、人格者と言われるような立派な人であっても必ずミスをします。自分が犯したミスを反省し修正する態度や、他者のミスを他山の石とすることは、どれだけ年齢を重ねても決して怠ってはいけないことです。

 

  • 自意識とは内側に向けられた意識のことです。これを磨いていくためには外側からの刺激を受容する態度がどうしても必要です。自意識過剰とは外側からの刺激を拒んでしまう性向を含んでますので、人としての成長を自ら停止してしまいます。

 

 

物事に対するこだわりは必要かもしれませんが、豚骨ラーメンと味噌ラーメンのどちらがおいしいかで殴り合いをするのは明らかに行き過ぎです。

 

自分にとって本当に大切なことは何かを冷静に分析して、それ以外は過度の自己主張を控えて他者に配慮することが必要です。

 

ご自身が豚骨ラーメン専門店の店主なら強いこだわりを持ってもいいでしょうが、それ以外なら相手と怒鳴り合ったり殴り合う必要などありません。