子は親を選んでいない
「子は親を選んで生まれてくる」
こう考えている方は多いと思います。親子というのは人間関係の中で最も身近であり重要なものですので、そう思いたいところです。
これは科学的真偽を付けることが困難な分野ですので、どう解釈するのかは人それぞれとなりますが、ここでは水波霊魂学での見解を書いていきます。
人が生まれる時に起こっていること
水波霊魂学では、人間とは、『肉体』という物質の身体と『幽体』という幽質の身体が重なった存在です。
肉体は両親から作られます、幽体は肉体が出来たとき(受精した時)に、幽質の世界(俗にいう死後の世界)にいる霊魂からその一部分が受精卵に引き込まれて作られます。さらには、肉体に心があるように、幽体にも心があります。この二つは個性が違いますので同じではありません。したがいまして、心の奥の部分にいけばいくほど、物の感じ方や価値観がたとえ親子であっても異なるのは当然なのです。
このことは以前に記事にしています。
<ご参照:心は親が作ったものではありません>
子どもが親を選んで生まれてくるわけがない理由
親が「この子は自分を選んで生まれてきてくれた」と思いたい気持ちは理解できますが、残念ながら子は親を選んでいません。肉体は両親の生殖行為によって肉体の心も体もゼロから作られますので、そもそも選ぶとか選ばないという問題ではありません。肉体と重なっている幽体も、受精卵ができたからあの世から自動的に引き込まれただけです。
また、一日に世界で何人の子どもが生まれているのかは分かりませんが、幽質界にいる霊魂が生まれる場所や親を選ぶヒマなどありませんし、ましてや霊魂がこの世のすべての男女がいつ生殖行為をするなど分かるわけがありません。
さらに考えていくと、この考え方がいかに荒唐無稽なものかということが分かります。
例えば、中絶する親のところにわざわざやって来る意味がありません。生まれることがないと分かっているのになぜ選ぶ必要があるのでしょうか。あるいは、性犯罪などで妊娠してしまった方のところにやって来る子どもというのは、いったいどう解釈すればいいのでしょうか。
「子が親を選ぶ」というのは、何やら人智の及ばない存在(例えば神仏)が主導権を持って、生まれる場所を選別しているような印象を受けます。しかし、もしもそのような存在が関与しているのならば、犯罪によって子どもを生ませるべきではありません。
しかし、現実はどうかと言えば、いかなる理由であれ、受精すれば妊娠します。つまり子どもができるということです。そこに神様や仏様の意思などありません。合法であれ違法であれ、男と女が生殖行為をして受精したから子ができるのです。
子どもが生まれる理由は、この世にいる男女が生殖行為をしたからです。そこに当事者の男女(両親)以外の意思は何も関与していません。子どもは自然の法則によって母胎で成長し、地上に生を受けます。
ただそれだけのことです。
よって、子どもが親を選んで生まれてくるわけがないのです。