記憶の断片が引き起こす悲劇とは

記憶の断片

 

 

人の心は表面の心だけではない

 

水波霊魂学では人の心理とか思いを見る時、生まれてから今まで積み重ねられた肉体の脳が持つ部分だけではなく、この世での人生を何回も経験した幽体の脳が持つ部分を併せて判断します。

 

人は誰でもこの世に何度も生まれては死んでいくことを繰り返しています。その一つ一つの人生で思ったことが幽体の意識には蓄積されています。

 

これらの意識は、前回の記事にも書きましたように今回の人生で経験したことがきっかけとなって突然騒ぎ始めます。これは実際に経験したことだけではなく、テレビやネット、映画などで見聞きしたことも立派にきっかけになってしまいます。

 

しかし、ここで問題となることがあります。それは幽体の意識というのは肉体の意識、特に表面の心のように現状をしっかり把握しているわけではないということです。

 

表面の心は何かを見聞きしたり経験したことによって何かしらの思いを抱きます。それと同時に心の奥にある幽体の意識の中で、これとよく似た部分が騒ぎ始めます。ここで大事なのは「よく似た部分」ということです。つまり、現実に起こっていることとまったく同じではなくても、似ていれば騒ぎ始める可能性があるのです。

 

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記憶の断片

 

ここで夢について考えたいと思います。ここでいう夢とは寝ている時に見る夢のことです。

 

脳科学によると、夢というのは感情と記憶が関係していると言われています。寝ている間に脳が記憶と感情を整理しているそうです。つまりメンテナンス作業です。その時に記憶の断片が夢として現れ断片が複雑に絡みますと、奇想天外なストーリーが出来上がったり、ある場面の登場人物があり得ない組み合わせだったりします。

 

肉体の脳は成長するにつれて理性を手に入れますので、覚醒している時はしっかりしているようでも、眠りに就いていわば無防備な状態になりますと、意外に理性が吹っ飛んだ状態になるようです。

 

肉体の脳での思いと、幽体の脳での思いというのは、きちんと関連付けられているわけではありません。幽体の脳は肉体とは別個の身体ですので、肉体の脳からはほとんど分からない領域です。

 

つまり、記憶の断片が奇想天外なストーリーを作り出しているように、幽体の脳が感じた強い思いは肉体に意識に影響を与える時に奇想天外とまではいかないまでも、似たものであればそれに反応しています。

 

仮に過去の人生で恩を仇で返されて後悔やら怒りやらを抱いたとします。しかし、別の人生では困っている人を手助けする仕事をしていたとします。

 

ひとつの心の中にいわば真逆の心理が沈んでいます。今回の人生で困っている人を助ける心理が優っている時に就職した人であっても、何かのきっかけで恩を仇で返された時の心理が騒ぎ始めると、現在お仕事を続けていくことが困難になる可能性があります。

 

ところが、肉体の表面の心は心の奥のことが分かりません。なぜなのか分からないままに仕事に対するモチベーションが低下したり、場合によっては目の前の人に対して怒りを感じたりするかもしれません。

 

目の前にいる人は今回の人生で関わった人ですので、過去の人生で恩を仇で返した当人ではありません。しかし、状況が似ていれば目の前にいる全く関係のない人に怒りを感じます。

 

仕事のモチベーションが落ちてしまって、もうこの仕事は無理だと冷静に判断できれば転職すればいいのですが、怒りの感情が大きすぎますと目の前の人が何気なく言った言葉に過剰に反応して犯罪に繋がって人生を棒に振ってしまうかもしれません。

 

 

人は表面の心だけで生きているのではありません。これは生まれてから今までの経験だけで心は出来上がっていないということです。

 

心の奥には表面の心が知らない記憶の断片が無数に蓄積されていて、それが何かのきっかけで蘇ることによって、その断片が強烈であればあるほど今回の人生に大きな影響を与えることになります。