人質が『 選択肢 』を握っている

選択肢

 

 

ストックホルム症候群

 

1973年8月23日、スウェーデンのノルマルム広場にあった銀行にサブマシンガンで武装した強盗が押し入り、9人の人質を取りました。犯人はまもなく5人を解放しましたが28日夜に逮捕されるまで4人の銀行員を拘束して立て籠もりました。

 

この事件では、犯人と人質の間に奇妙な関係が生まれました。犯人が休息している間は人質が銃を警察に向けていたり、人質が「犯人との関係は非常にうまくいっているので余計なことはしないでほしい」と警察に対して懇願したりしました。

 

これはのちにストックホルム症候群といわれ、死の恐怖に直面した人質が犯人と長い時間をともにすることによって、ある条件下で犯人に対して過度の連帯感や好意的な感情を抱く現象だと説明されています。

 

これはある条件下で起こることですので、すべての拘禁事件で起こるわけではありません。しかしながら、人質になれば誰でも死の恐怖を抱きますので、このようなことが起こるのも不思議ではありません。

 

人は誰でも自身の肉体の維持が最優先です。生き延びるための道があるのならば、その道をひた走るのは人の性だといえるでしょう。

 

 

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犯人と警察のにらみ合いが始まった

 

ストックホルム症候群に関する心理学的考察は専門家にお任せしまして、ここでは現時点での地上の世界における霊的環境について書いていきたいと思います。

 

前述しましたように、死への恐怖というのは肉体にとって最大の脅威でしょう。生き延びるためには手段を選ばないということもあるでしょうが、絶対に選んではいけない選択肢があります。

 

ここから先は無神論者や霊魂を信じない方にとっては荒唐無稽としか感じられないかもしれません。しかし、個人の価値判断が真実とは限りません。真実は別のところにあっても、個人の肉体の脳がそれを受け付けなかったり拒否するのなら、個人の自由とはいえ結果的には誤った道に進んでいくことになります。

 

前述の強盗事件を参考にたとえれば、現在の地上の世界は銀行、人類は人質です。犯人はどこにいるのかといえば銀行の中にうじゃうじゃいるのですが人質の目には見えません。同様に銀行を取り囲んでいる警察も人質の目からは見えません。

 

「なんだそれは?」

 

そうです、なんだそれは?です。

 

目に見えない犯人や警察とは何か。

 

それは霊魂といわれる存在です。霊魂は肉体の目から視認できませんが存在します。犯人側の霊魂はいわゆる下の世界の霊魂です。じつは彼らは人間そのものと言ってもいいような存在です。例えば、あなたは好き、あなたは嫌い、私は正しい、あなたは間違い、あなたは愛すべき人、あなたは裁かれるべき人・・・。私たちと同じような心情を持っています。

 

このような人間味あふれる霊魂たちがなぜ犯人側なのかといえば、それは地上を生きる人間を不幸にするからです。彼らが地上にいるだけでも霊的環境は悪化しますし、特定の個人に干渉すればその方は霊的な障害を負うことになります。そして、他界後は彼らと同じ下の世界に行くことになります。

 

人間愛に溢れていても上の世界に行くための条件を満たしていない、つまり幽体の状態が良くなければ下の世界に落ちるのが霊的世界の法則です。

 

彼らは銀行強盗のように拳銃を突き付けているわけではありませんが、関わり合いを持った人をすべて不幸にしてしまうという意味では、銀行強盗以上に困った存在です。

 

一方、警察は上の世界の霊魂です。彼らは犯人(下の世界の霊魂)を地上の世界から追い払い、この世で生きている人類を不幸から救おうとしています。ただし、現実の警察との違いは警察は義務でやっていますが、上の世界の霊魂は人類を救う義務などないということです。上の世界の霊魂は給料が貰えるわけではありませんので、いわば使命感だけで人質を救おうとしています。

 

今の状況は銀行の周りを警察が取り囲んだところなのか、膠着状態が続いてそろそろ強硬手段に出ようとしているのか、詳しいことはわかりませんが、いずれにしましても犯人と警察のにらみ合いが始まっていることだけは確かなのです。

 

 

人質は正しい『 選択肢 』を選ばないといけない

 

さて、霊的環境における犯人(下の世界の霊魂)と警察(上の世界の霊魂)のにらみ合いが始まっていますが、人質であるはずの人類はその事実をまだわかっていません。目に見えないから仕方がないといえばそれはそうなのですが、今回のにらみ合いは人質である人類全体の運命を決定しますので、意識されたほうがいいのではないかと思います。

 

犯人が勝つのか警察が勝つのか、そのカギを握っているのは人質である人類です。

 

通常の銀行強盗の人質であれば犯人に対して、「私はあなた方には絶対に従わないぞ!」と言えば撃ち殺されるかもしれませんが、今回は霊的世界で起こっていることですので犯人に対して「私は絶対にあなた方には従わない。私は外にいる警察に助けを求める」と明確に意思表示さえすれば、外にいる警察たる上の世界の霊魂は、その意思表示をした人をピンポイントで救出することができます。

 

しかし、前述したストックホルム症候群のように、知らず知らずのうちにでも犯人側にシンパシーを感じて、外にいる警察に対して「余計なことはしないでほしい」などと言えば、警察は何もできません。

 

「犯人にシンパシーを感じることなどない!」と自信たっぷりに思っておられる方もおられると思いますが、これから犯人側は銀行の中でマシンガンを乱射したり、爆発物を爆発させたり、いろいろな揺さぶりをかけてくるでしょう。そして、それは何もかも外にいる警察のせいだと吹聴することでしょう。そんな状況でも「私はあくまで警察の救助を願う」と心から宣言できるでしょうか。

 

さきほど霊的世界のことは私たちの目では見えないと言いましたが、犯人たちはこれから私たちの目に見えるように様々なことを起こしていきます。

 

それは地震であったり、台風であったり、無差別殺人であったりするかもしれません。

 

そして、外の警察を誹謗中傷するようなことを人質たちに吹聴します。それは21世紀の科学の時代に神だの霊魂だのという者たちはカルトだとか、宗教があるから殺戮が絶えないのだとかといった類のことでしょう。これは、過去に地下鉄に毒を撒いた宗教団体の教祖と幹部が今のタイミングで死刑執行されたこととも関係するかもしれません。

 

人質は間違った選択をしてはいけません。霊的世界の警察(上の世界の霊魂)には人類を救う義務などありません。人質が「犯人とは非常にうまくやっているので余計なことをしないでほしい」と言えば、お望み通り立ち去ってしまいます。

 

そして、警察が消えてしまった銀行(地上の世界)は、不幸しか生産しないもはや救いようのない場所だということで、存在意義なしと判定されるかもしれません。

 

 

補足

 

※ 2018年7月16日追記

上の世界の霊魂が勝つのか、下の世界の霊魂が勝つのかは、人類がカギを握っていると書きましたが、これはストックホルム症候群の話を例えにしてお話したことです。

 

実際は、本気で戦えば上の世界の霊魂が勝ちます。これは完全無欠、100対0、完全勝利、どのような表現でもいいのですが、上の世界の霊魂が負けることはあり得ないのです。

 

大切なことは、どちらが勝利するかではなく、上の世界の霊魂が本気を出した時、今回の例えでいえば銀行内に強行突入してきた時に、人質が救われるか否かです。

 

人の命=肉体の命ではありません。

 

霊魂は自分が過去に地上に生きて他界することを経験していますので、それを知っています。地上の世界が下の世界の霊魂が支配する場所となり、この世に生まれたすべての者が他界後みんな下の世界に落ちるだけになった時、地上の世界はもはやその存在意義を失くしたと言わざるを得ません。

 

これ以上の不幸の連鎖を断ち切るために、警察は強行突入を決断することになるでしょう。

 

少し乱暴な言い方をすれば、霊魂は「肉体がなくなった?それがどうした、肉体がなくなっても困らないよ」程度の認識しかありません。ただし、肉体を失った時に上の世界に行くことができるのならば肉体の死は救いとなりますが、下の世界に落ちれば肉体の死は辛く苦しいものになります。

 

外にいる警察(上の世界の霊魂)に自らの意思で救いを求めるか否かという至極単純なことですが、このままでは警察は強行突入の決定をするでしょうし、それまでの時間的猶予は決して長くありません。

 

脅迫みたいですのであまり強調したくはありませんが、上の世界の霊魂が強行突入するということは、肉体を持つ者すべてが肉体を失う時ということです。