信念を持つ人が困った人に変身する時

信念

 

 

信念 とは自己中心的なもの

 

信念
①固く信じて疑わない心。行動の基礎となる態度。「-をまげない」「-の人」
②神仏を固く信ずること。信仰。
(大辞林より引用)

 

現代では、信念という言葉を上記①の意味で使う人がほとんどだと思いますが、昨今流行りの自己啓発本などを見ますと、「信念があれば願望が実現する」というのが一つのセオリーのように語られています。

そもそも信念とはいったい何なのでしょうか?

 
信念とは、本来は極めて自己中心的なものです。つまり、「固く信じて疑わない」と言われれば何事にも動じないすごい人だと感じますが、裏を返せばある思考や価値について自分で勝手に凝り固まっているだけです。

自分が信じていることが正しいとは限らないにもかかわらず、他者の意見に耳を貸さないことが多いのがこのタイプの特徴かもしれません。

この信念というものが、他人に迷惑をかけないなら良いのですが、仮に「困難は人に頼らず自分で乗り越えるものだ」という信念がある人がそれを他人に押し付けますと、途端に迷惑な困った人になってしまいます。

 

 

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ダブルスピークにならないようにする

 
私たちは、日常的にダブルスピーク(二重語法)を使っています。

ダブルスピークとは、本来の意味を偽り歪める修辞語法のことで、裏にある本当の意味を隠すために使われます。
分かりやすい例は、玉砕(全滅を美化した表現)、リストラ(事業の再構築(リストラクチャリング)の略ですが、裏の意味は人員整理や人切り)、防犯カメラ(監視の言いかえ)などです。

 
信念という言葉は、使い方によっては自分の過ちを覆い隠すためのダブルスピークになりかねません。特にリーダーである人が信念の名のもとに独善的な行動をとって組織を破たんさせた場合、部下を路頭に迷わせることになります。
このような他人の迷惑を顧みない困った人にならないように用心しないといけません。

 
そうならないためには、人は誰でも自分を中心にして周囲を評価していること、少しでも油断すると「私は正しくてあなたは間違い」的な思考に陥りやすいということを常に意識するべきなのです。
そして、自分の世界観に凝り固まることなく、修正すべきは修正できるような柔軟な思考を持つことが必要です。