【水波霊魂学】心の波長という困った考え方
心には波長があるということをおっしゃる方がときどきおられます。
なぜだか知りませんが、自分の心の波長を上げれば自分にとって好ましい人が寄ってくるようになり、それが幸せにつながるそうです。
それ以外にもいろいろな説があるようですが、キリがありませんのでここでは代表的だと思われるものを挙げています。
これは水波霊魂学の見解では『間違い』となります。
なぜかといいますと、心の波長を問題とする人々は、表面の意識だけを対象にしているからです。
生まれてから死ぬまで、ずっと心が穏やかで一度も怒らない人など誰一人いません。
この世を生きるということは、幾多の苦難を乗り越えていくことです。
当然ながら、苦しい時や辛い時もあります。
理不尽な目に遭って怒りに震える時もあります。
そんな現実を無視して、心の状態のみで人に順位や段階を付けることなどあってはならないことです。
また、人の脳は薬品で機能を変化させることができます。
怒り狂って暴れている人に注射しておとなしくさせることも可能です。
さらには、故意に覚せい剤に手を出すのは論外ですが、『元気が出る薬だよ』などと騙されて摂取すれば薬物中毒になるのも当たり前です。幻覚や幻聴も起こりますし、最悪の場合は犯罪行為を起こす可能性もあります。
「私は騙されたのだから薬物中毒にはならない」などということはありません。肉体はそのように出来ているのです。
もっと言えば、老齢になれば認知症になることがあります。それまで穏やかだった人が急に怒りっぽくなったり猜疑心が強くなって周囲を困惑させることもあります。
さて、これらの人は『心の波長が低い人』なのでしょうか。
波長の高低という訳の分からない基準で他人にレッテルを貼ることは、将来的に見れば新たな差別や虐待に繋がりかねない危険な考え方です。
「あいつはいつも怒っているからきっと心の波長が低いのだろう。この薬を処方すればずっと笑っていられるので心の波長が高くなるだろう。」
「あなたはどうやら心の波長が低いようですね。私たちのコミュニティーに入ることは不適当なようです。」
「ウチの会社では、心の波長が低い人は部長にはなれないよ。」
今は笑い話かもしれませんが、こういうことが広く流布されると『血液型』によるレッテル貼りのような事態が起こってしまうかもしれません。
最後に水波霊魂学の書籍にある一節を引用して締めたいと思います。
「自分は愛の心が少ないと反省できる人は、他の人の心理を軽蔑しません。ですが、人の心に順位や段階を付ける人は、他者を自分と比べて、順位や段階を判断します。そうなると必ず、人を見下すのです。そして、醜い心となるのです。」
『霊的生命体として』水波一郎著より